すっかり春の陽気となりました。
冬に活躍したダウンも来シーズンに向けてきれいにメンテナンスする季節です。
今回は、お客様からご依頼いただいたダウンのクリーニング実例として、高級ダウンとして知られるモンクレールのダウンジャケットをどんなふうにクリーニングしていくのかをご紹介します。
モンクレールの高級ダウンをクリーニングしました!
モンクレールのダウンといえば黒が多いですが、今回ご依頼いただいたのは白いジャケットです。早速クリーニングの目利きから、実際のクリーニングの様子まで見ていきましょう。
STEP1 目利き
まずは、全体的に汚れがどの箇所についているのかを目利きしていきます。
襟元の皮脂汚れや、袖の皺部分に変色した皮脂汚れがついていることがわかります。白い衣類は特に皮脂汚れが目立ちやすいため、ダウンクリーニングでも丁寧に確認していきます。
衣類に付着する汚れの中でも、皮脂汚れは生地に染み込んだ際にはそれとわからなくても、時間が経つと紫外線や空気に触れることで酸化します。茶色く変色していきます。
今回のケースでも襟元や……
袖口の内側にうっすらと皮脂汚れが付着していることがわかります。
また、手を出し入れするポケット周りも、汚れが目立っていました。
ちなみに、今回はモンクレールのコミックラベルはついていませんでしたが、モンクレールのダウンをお預かりする際には、コミックラベルの状態も確認します。
もしもコミックラベルが取れかかっている際には、洗う際にももちろん注意しますし、洗いが終わった後にラベルを再度つける補修作業を行っています。
STEP2 前処理
事前のチェック段階で汚れが目立つ部分には、汚れの種類に合わせて前処理をします。
薄めた洗剤などで、繊維に付着した汚れが動きやすい状態になるまで手作業で前洗いしていきます。
モンクレールのダウンに使われている生地は比較的汚れが落としやすいものなので、前処理段階でしっかりと汚れに対処することで、きれいな仕上がりになります。
STEP3 機械洗浄〜乾燥
前処理で汚れが動きやすくなったら、水洗機で洗います。
洗いの際にはポケットもきちんとファスナーを開け、中に汚れなどが残らないようにしていきます。
今回のジャケットは、前見頃に大きくロゴが入っているため、文字が洗浄・乾燥時にすれて薄くならないように、乾燥時間も短く調整しました。
また、洗浄機や乾燥機に入れる際には他の衣類とぶつかって文字がかすれてしまわないよう、ネットに入れています。
最後に、タンブリング乾燥でダウンのふっくら感を出していきます。
ちなみに、ダウンは糸目の部分がクリーニング時に糸の縮みによってシワが出やすくなります。シワを最小限にするために[OMOIYARI]ではミルクプロテイン保護剤を使い、繊維を保護しています。
STEP4 クリーニング完成!
手作業で汚れにピンポイントに対処しながら洗ったモンクレールの高級ダウン。スッキリと白が際立つ仕上がりになりました。クリーニング前よりも全体的にふっくらとしています。
襟ぐりも皮脂汚れがきれいに落ちています。
袖口の内側もスッキリ!
左右のポケット口周りも真っ白に。
洗い上がったダウンは、ご希望の方には翌シーズンまで無料で保管させていただくサービスもございますので、ぜひ気軽にご使用くださいね!
[OMOIYARI]が、皆様の大切なモンクレールダウンを、1着1着丁寧に状態を見ながらクリーニングしてまいります。